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5月の帰国 義父の3回忌 [家族]

5月下旬の週末、義父の3回忌の法要があり、短い帰国をした。義父が他界したのは2年前だが、なぜか、3回忌である。このあたり、宗教的な説明があるのだろう。実際ネットで調べたがあまり興味はない。一方、命日あたりで、年に一度故人を偲ぶということには意味があるように思える。お寺に出かけて、坊さんの手を煩わせる(説明不可能な高い布施をする)ことには、私は肯定的ではないが、それは義母がそうしたいのだから、あえて異議は唱えない。今回は、M国に出発する息子とはしばらくの対面になるし、姪のMちゃんが婚約者を連れてくるとのことで、それも楽しみである。残念ながら娘は仕事で不参加だ。

朝8時半の飛行機に乗るために5時前に起きた。礼服は預かってもらっているので、シャツとネクタイだけ持参する。お寺に行く前に義母の家で義父の写真を拝む。相変わらず笑顔のすばらしい写真だ。前からずっとそう思っているのだが、義父はあの世とやらで自由に楽しくやっているに違いない。亡くなる前、身体が思うように動かず辛い時間を過ごしたのだから、あの世では、そのあたりきっちり埋め合わせをしてもらわないと、(私の感覚では)法外な「料金」をとるお経を唱える坊さんは詐欺師になってしまう。

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法要自体は何なのかよく理解できないので、おとなしく座っていたし焼香もした。ただ、法要が終わったあと、そこの坊さんがした話(法話?)にはほんとうにガッカリした。坊さんは何を思ったか、某東京都知事が撤回した言葉そのまま、「東北地方の震災は天罰である」とのたまわった。もちろん、それは、東北地方やそこに住む人たちに対する天罰ではなく、エネルギ-を必要以上に消費し、便利さと言う美名に「もったいない」という精神をないがしろにしていた日本人全体に対する警笛としての天罰だと言う説明だった。しかし、ここであえて「天罰」という言葉を使う必要があるとは思えない。それが適切でないと思ったから、あの強気の某東京都知事でさえ撤回したのだ。そして坊さんは「節約」の大切さを説く。しかし、その彼の寺の本堂は、無意味に金ぴか(少なくとも私にはそう見える)で、必要以上の装飾に金をかけている(ように思える)。「あんたが言っても、説得力も何もない」と思った。そして、さらに坊さんは、「吾唯足知(吾、ただ足るを知る)」という言葉を説明しようとしたが、残念ながら知識が不足しているのか舌足らずだった。こんなこと、京都の「竜安寺」に行った人ならたいてい知っている。残念ながら、私の「寺」という機能、組織、実力、社会的貢献に対する不信感は大きくなる一方である(あくまでも私が行った寺のことで、中にはちゃんとしたところもあると思う)。

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うちのバカ息子は、何を思ったかノ-タイで来た。「社内はノ-タイだから」というのが彼の言葉だったが、法要は社内の会議ではないのだ。クール法要などは(まだ)存在しない。このあたりきちんと教えてこなかった私が悪いのだが、彼の常識にはいささか不安を覚える。しかし、私自身、誤魔化せると思って黒のスニカ-で行ったので、人のことは言えない。まさに、この親にしてこの子ありである。姪のMちゃんの婚約者は180cm超のスマ-トでいわゆる甘いイケメン・タイプ。ただ、大変シャイであるらしく、ほとんど音を発しなかった。もっとも、まったく知らない初顔の親戚の中に連れてこられたのだから、それは当然と言える。

次の日、私の実家を訪ねた。悲しいことだが、実家の父母には、義父の法要に参加する気持ちはあっても物理的にそうする力がない。父母がだんだん弱っていくのを、私はただ悲しげに見ている。いや、心の中ではそれさえきちんと見ようとしていない。体力的に問題のある父を母が一生懸命支えているが、私はその母の話の腰を折ってしまう。取り留めのないグチだとわかっているのだから、ちゃんと聞いてあげればいいのに、私は悲しみで心がいっぱいになって、それを聞き続けることができない。読書家で寡黙で知的な父、優しく明るい母、そのイメ-ジをもう見ることができない辛い現実。その現実ははっきりしているのに、私にはそれがきちんと受け止められない。なんと情けないことだろう。「ご馳走を食べよう」、用意した「しゃぶしゃぶ」を囲むテーブルもあまり弾まなかった。

1日休みをもらって、買い物Dayにした。夏の旅行の準備である。山行きの服や靴、ザックを購入する。クレジットカ-ドの使用残高はうなぎ上りである。おまけに、M国へ行く息子が夏物ス-ツが欲しいと言い出し、なぜか支払いが私の方へ回ってきた。自分の収入を得るようになって3年以上経っているのだから、そんなものを回さないで欲しい。三宮近辺をうろうろして、かなり疲れた。関空発20:30の便だったが、電話会議にCall-Inするため、早め(午後4時過ぎ)に三宮を出た。日本では公共交通機関内での携帯通話は、頑ななほどご法度である(韓国では大っぴらに許容され、大声でしゃべっている人が少なくない...ほんとうに迷惑だ)。チェック・インを済ませ、空港ロビ-の端の方でこそこそ電話をする。

いつものように、大変あわただしい帰国だった。次の7回忌はいつあるのだろう。3回忌が2年目だから、その調子で行けば5年目くらいにあるのかもしれない(ネットで調べたところ6年目であることが判明した)。

私が韓国に戻った翌日、妻は義母と共に戻ってきて、10日あまりの同居生活?が始まった。

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コメント 12

葵ママ

何故、三回忌が二年目なのかと母に問うたことがあります。母曰く
「祝い事は多少遅くなっても構わないが、憂い事は必ず早めにやるべきだから」と言ってました。本当かどうかは知りませんが・・・

個人的には、葬式の時点で既に1回目と見なすからではないかと思ってます。
by 葵ママ (2011-06-09 19:15) 

ももんが

私も葵ママさんのように認識してました。確か母にそんなことを聞いた気がします。
現代のお坊さんというのは、質素にされている方は少ない気がします。税金かかりませんしね。高級外車乗っていたりしますし。
ちびももの行っていた保育園もお寺がしているところでしたが、そこの孫がいつもラ〇フ・ローレンのかっこいい私服を着ているのを見るたびに、檀家さんからの高いお布施と、私たちの払う高い保育料があの服に化けているのだと、うらめしい気持ちになりました。
by ももんが (2011-06-09 22:11) 

krause

法事、お疲れ様でした。私も父に代わって、法事や結婚式に出席することが多くなりました。久々に会う親類たちとの会話も楽しくないことはありませんが、やはり気を使うのも事実です。ソウルから関西ですと、東京へ来るくらいの気軽さでこられるのでしょうか。
by krause (2011-06-10 03:38) 

雀翁

葵ママさん、

確か数え年の年齢のように、まさに「葬式の時点で既に1回目」ということだったと思います(読んだのに覚える気がないのでいい加減です)。

by 雀翁 (2011-06-10 08:43) 

雀翁

ももんがさん、

檀家の数が減り、また、最近、宗教色を排除したお葬式も増えてきたと聞きます。お寺の経営もそれなりに大変だろうとは思います。でも、宗教を商売でやるというのが透けて見えてくると、お寺への足も遠のいてしまいます。きちんとした人物が、住職をしていれば、それなりに続いていくとは思いますが...ちなみにこのお寺の住職は、バイクで帰って(どこに?)行きました。

by 雀翁 (2011-06-10 08:48) 

雀翁

krauseさん、

よく知っている人の法事であれば、心から参加したいと思います。インチョンから関空までの飛行時間は90分ほどですから、ほんとうに近いです。ただ、関空から家まで飛行時間以上にかかりますが...

by 雀翁 (2011-06-10 08:50) 

collet

我が家も来年が父の十三回忌ですが・・・
三回忌から七回忌までは、少し間が空くので、
お義母様もこれを済ませて一安心なさってるのでは?

とにかく、亡くなった直後からお寺との関わりが出来、
ナンダカンダとお金が動きますね。
わたしもなんで?どうして??と、異を唱えたいのを我慢して、
昔ながらの慣習に煩い親戚の叔母の手前、
言われるがままに差し出したのを思い出します。

それにしても、明石天文科学館傍にある?お寺さん「天罰」はないでしょう!
それこそ、ココだけの話コッソリと・・・
ご自分の頭の上にある無駄に重たそうな金の飾りの下敷きにならぬよう、
ご注意あそばせ~ですね・・・(;一_一)
by collet (2011-06-10 11:43) 

雀翁

colletさん、

ふだんお寺と全く係わり合いがないので、お葬式」とかになると、もう言われるままになってしまいますね。そうしないと、何か悪いことでも起こりそうなことうを言われて...私は、今さら宗教の門を叩く気もないので、自分のは「さっと焼いて、さっと撒いて、写真でも飾っておいて(ただし、黒枠なしで)と頼んでいます。「お経上げてもらっても、一切理解できないし、無駄になるから、決して坊さんの世話にならぬように」とも言っています。

お寺は三つ葉葵の由緒あるお寺らしいのですが、住職が何か軽くて...明石天文科学館とさっと言っていただき、とてもうれしいです。明石市民の数少ない自慢ですから。

by 雀翁 (2011-06-10 18:15) 

collet

>明石天文科学館とさっと言っていただき、とてもうれしいです。
あのね、じつはわたし・・・
このお寺の名前もサッと言えるのですが、それは止めときますね~(^^ゞ
何てったって、由緒正しき・・・ですものね!?
by collet (2011-06-11 12:14) 

雀翁

colletさん、

はい、それはやめて下さい。営業妨害、名誉棄損などで訴えられると困りますから。そうです、由緒正しいんです(と言っていました)。

by 雀翁 (2011-06-12 13:02) 

青沢東(QMY)

>義父はあの世とやらで自由に楽しくやっているに違いない

ばあちゃんがよく言ってました。父がまだ小さいうちに死んだじいちゃんですが、一度もばあちゃんのところに出てきたことはなかった…よっぽど向こうは心地よいんだと。誰一人この世に戻ってくる人はいませんからねえ。

>読書家で寡黙で知的な父、優しく明るい母、そのイメ-ジをもう見ることができない辛い現実

時間はさかのぼることができず、人は順番に年老いていく…その現実に待った!と言いたいのですが、時間はただただ過ぎ行くだけで…そしていつか自分もその順番を待つことになるんでしょうねえ。
でも、教えていただいた本に書いてましたよ。「どうせうんこになるからって、おまえ、もの、くわないのか?」…今を大事にしていきたいと思いました。
by 青沢東(QMY) (2011-06-13 09:13) 

雀翁

QMYさん、

おばあさんの言葉、深いですね。

ありがとうございます。言葉、身にしみました。「田村...」もう読んだんですか? 生を受けた責任とそのありがたさ、そして「うんこ」の教えを胸に、今の時間をしっかり生きていきたいと思います。

by 雀翁 (2011-06-13 12:07) 

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