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義母との生活 [家族]

義父の3回忌が終わり、去年もそうしたように、妻が義母を伴ってソウルに戻ってきた。気分転換を兼ねた短い同居生活?である。義母宅(アウェイ)にいるとき、私は何もさせてもらえない。もちろん、気を使ってもらってのことだが、私は自分のことは自分でしたい方なので、かえって疲れる。しかし、ソウル(ホ-ム)では逆になる。私は料理の下ごしらえに参加し、飲み物のサ-ビスをし、洗い物は一手に引き受ける。義母にすれば、婿(実際は婿ではない)にそんなことをさせるのは申し訳ないと思うようだが、私にとっては自然のことなので、気楽にそうさせてもらう。

うちの母もそうだが、義母も、「食が細くなった、あまり食べられない」と嘆く。しかし、実際、食卓につくと、私と同じ量を食べているし、外食をしても私と同じメニュ-を常に完食だ、どこをどう見たら、「食べられなくなった」などという言葉が出るのか、非常に不思議である。たぶん、義母の感覚の中には、「昔はもっと食べた」という思いがあるのだろう。しかし、その思いはどうやら、「自分が年を取って食べられなくなってきた」という観念的思い込みの裏返しであるようだ。一人で暮らしていると、食生活がおざなりになり、実際食べる量も少なくなるのかも知れない。ソウルにいる間、話し相手(妻)がいて、しっかり食べ、睡眠薬なしで眠り、長めの散歩をして、体重も少し減ったようだ。年をとってからの一人暮らしに、義母は自由さや幸福感を感じていない。誰かといるということが大切なように思う。義父が逝ってから2年、義母は慣れない一人暮らしを余儀なくされている。義姉やその子供たちがしょっちゅう顔を出しているようだが、基本的に一人なのだ。そう考えると、胸が締め付けられる。

義母が来て数日、私は仕事の山が来て毎晩遅く帰宅し、一日はとうとう朝帰りになった(残念ながら飲んでいたのではなく、久しぶりに徹夜仕事になった)。埋め合わせをするため、週末は、カジノを覘いたり、ショ-を見に行ったり、ホテルの食事に行ったりした。はたして、そういう所に不慣れな義母が、それらを心から楽しんでくれたのかどうか疑問ではある。家でゆっくり食事をした方がよかったのかも知れない(ま、それもしたが)。

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約2週間が経ち、義母が帰国する日、空港まで車で送っていくために、ナビをセットすべく、前もって駐車場の車を見に行った。リモコンキ-のスイッチを押す...私の「現代ソナタ」から「ピッ」といういつもの返事...がない。あれっ? どうしたの? もう一度スイッチを押すが、まったく返答なし。ひょっとしたらやばい状況? 手動でドアを開け、イグニッションを回そうとしたが、キ-を差し込むことすらできない。完全にバッテリ-・アウトの状態らしい。時間的にはまだ余裕があったので、申し訳なかったが空港バスで行ってもらった。妻が空港まで一緒に行った。手荷物検査、イミグレ-ションの手前で見送り、関空には義姉と姪が迎えにききてくれている。

こんなことがあと何回できるのだろう。義母は来年80になる。

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コメント 12

krause

お母様、ソウルで過ごされた時は、きっと良い思い出として残ると思います。80歳は、私のムラでは、まだまだ現役です^^。
by krause (2011-06-16 13:29) 

collet

うちの母のことを書かれてるようでヘンな感じ~(~o~)
まさしく、「こんなに食べられない」と言いながら、
ちゃんと綺麗に食べるんですよね。

ところで、夫に先立たれた妻には二通りあって、
これからは自分の好きなように!と割り切れる方と、
一人になって、 寂しさを募らす方とあるようですね。
まあ、人夫々の性質でしょうが、
残りの人生、少しでも楽しんでいただきたいですよね。

それにしても、ソウル赴任で良かったですね!
お義母さまも近いから来やすいでしょうし~~(*^^)v
どうぞ、気に入る入らない関係なく、
今まで知らずにいた新しい世界を見せてあげてくださいな~~♪
きっと今頃は、お義姉さまたちと楽しげにお話してらっしゃいますよ!
「ホンマにもう!あんなん、わたし嫌いやのにィ」なんちゃって~~(^^ゞ
by collet (2011-06-16 15:59) 

ももんが

とてもいい親孝行されたんだなあと、こちらまでしあわせな気持ちになりました。雀翁さんが当たり前のように台所でお料理や片づけを手伝われたり、双方の親に対して、とても温かい心で接していらっしゃったりする夫婦関係が、とてもすてきだなあと思います。
80歳、はまだまだ現役ですよ。
自分で歩き、生活できていらっしゃるなら、まだ何年間も親孝行できると思います。これからも存分に一緒にステキな時間をすごしてくださいね。
by ももんが (2011-06-16 18:41) 

葵ママ

うちの父は来年80になりますが、まだ管理薬剤師として現役勤務中です。まあ、孫(中二)を全面的に養ってるので気持ちの張りが違うんでしょうが・・・

7月の初めに用があって両親共々東京に来ると電話してきました。母は、「まあ、お父さんだけでもいいんだけど最後になるかもしれないから一緒に行くことにしたんだわ」と言ってました。親が老いていくのを見るのは何とも寂しいものですね。
by 葵ママ (2011-06-16 22:29) 

雀翁

krauseさん、

80歳は現役!素晴らしいですね。「できない」と思ったときから加速度的に年を取っていくのかも知れません。

by 雀翁 (2011-06-17 12:19) 

雀翁

colletさん、

義母は義父や家族を守るのが自分の使命のように生きてきた人ですから、守るべきものが自分の周りから消えて戸惑っているかのようです。「自分のために」という発想がなかなかできないんですね。

記事にも書きましたが、一人でいるときは睡眠薬がないとよく眠れないようです。ソウルでは、一切薬は飲んでいませんでした。誰かといるよいうことが最大の薬のようです。

これからも気にせず、適時連れ出そうと思っています。ほんとうに嫌なら、たぶんそう言うでしょう...

by 雀翁 (2011-06-17 12:25) 

雀翁

ももんがさん、

先人はいつもよい教師です。何も語らなくてもその生き方で教えてくれます。80歳で現役であるためには、今からどういう準備うをすべきなのか考えさせられます。おっしゃるように、「自分で歩き、生活」が基本なのだと思います。それがいつであろうと、この世を去る前の日までそんな生活がしたいものです。
by 雀翁 (2011-06-17 12:30) 

雀翁

葵ママさん、

私は、この春娘が就職して、「肩の荷が下りた」と大喜びした口です。そういう意味では、すでに現役ではありません。もし、現役が働き続けることなら、なまけものの私は「現役」にはこだわりません。それどころか、1日も早く退職して、自分で予定を立てられる生活をしたいと思っています。私にとっての現役は、「自分の人生を自分で生きる」ことです。
親がかつてのような「自分たちの生活」をすることが困難になってきているのは、ほんとうに寂しいことです。

by 雀翁 (2011-06-17 12:37) 

mee

最後の写真はご自宅ですか?すごいきっちりとした盛り付けで!
私も見習わないと、、
”こんなことがあと何回。。。” そうですね、いつもと変わらないままで自然に一緒にいられたらいいのかもしれませんね。

今年の9月、父の一回忌です。
by mee (2011-06-17 12:43) 

雀翁

meeさん、

最後の写真は義母が日本に帰る日の朝の自宅での朝食風景?(日曜)です。義母がいたので、いつもよりかなりちゃんとしています。
初盆に一回忌、ゆっくり思い出してあげてください。


by 雀翁 (2011-06-17 17:49) 

青沢東(QMY)

お義母さんの幸せは、お嬢さんが雀翁さんに大切にされているということでしょうね。安心して帰られてからきっと近所の人に自慢げにお話しされていると思います。
いつまでもお元気でいられるといいですね。
by 青沢東(QMY) (2011-06-23 07:48) 

雀翁

QMYさん、

ありがとうございます。大切にしてるかどうかははなはだ疑問ですが...

by 雀翁 (2011-06-23 08:22) 

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