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旧正月の出来事 [ソウルでのこと]

今年の旧正月は1月23日だった。韓国の多くの会社がそうであったように、私の会社も23~24日が休日となる。12月始め、旧正月中にどこか暖かいところへ行きたいなと画策したが、如何せん時すでに遅く、タイやマレ-シアへの航空便に空席は無かった。みなさん、ちゃんと早めに準備をしているのだ。新正月には娘が来たが、旧正月には急遽息子が来ることになった。何故、同じタイミングで来ないのか...

ちなみに、この旧正月のことを、韓国語では「ソル」という。フランスからのVisitorと話をしていて、私が「Chinese New Year」と表現すると、「韓国でもChinese New Yearと言うのか? おかしいではないか」と突っ込まれた。いっそにいた韓国人が、「確かにおかしいし、韓国人はChinese New Yearとは言わない(そりゃそうだろう)」とそのフランス人に同意した。「じゃあ、何て言うんだ?」に対しては、言葉が詰まった。そのあと3人で、「Lunar New Year(陰暦の新年の正月)」が正しいという結論にたどり着いた。私は自問した、なぜ「Chinese New Year」と表現してしまったのだろう。振り返れば、「Chinese New Year」とも「Lunar New Year」とも言ってきた。そして私の頭に浮かんだのは、この季節に良くある横浜や神戸の「中華街」からのTV報道だ。爆竹が鳴らされ、龍の獅子舞(龍舞?)が繰り広げられる「あれ」だ。あの印象がきつくて、自然とChinese New Yearという言い回しになる。ま、どうでもいいことだけど。

息子がいた3泊4日の間、ソウルはかなり冷え込み、1日はマイナスが二桁にもなった。そんなわけで、正月にふさわしいダラダラ生活を満喫した。

空港に着いたら掛かってくるはずの息子からの電話は無く、待ち合わせ場所のロッテワ-ルドホテルに適当な時間に行ってみると、すでに息子が待っていた。10分ほど待ったと言う。「何で電話してこないんだ」と問うと、「え、そんな話やったっけ?」ととぼけられた。

その日は早めの夕食に、鶏鍋(タッカンマリ)を食べに行った。地下鉄で1駅で行けるおなじみの店である。こくのあるス-プ、上質の鶏肉、ニラと特性ソ-スのつけだれ、言うことなしだ。鍋の残りでカルグクス(麺)とポックンパプ(焼き飯)を食べ、お腹いっぱい。家に戻って、スコッチやブランデ-で酔っ払い談義に花が咲く。

2日目、息子の希望で予約しておいた、南山のHホテルのブランチに出かけた。このホテルのブランチの前菜コ-ナ-(ブッフェ)は質が高い。私はいつも、メインの肉とかは食べず、前菜のみを何度も食べる。セットになったシャンパンを飲み、白ワインを一本あける。おいしい。いくら前菜とはいえ、何度も食べればかなりお腹に応える。イ-テウォンまで歩いて降りて、屋台でCDを何枚か買う(安くない)。夜は軽く食べるべきなのに、息子のリクエストで、ドライカレ-をお腹いっぱい詰め込むことになった。

3日目、正月である。せっかくだからと景福宮まで出かけたが、寒いだけで正月らしいイベントは無かった。せっかく近くまで来たからと、前々日、鶏鍋を堪能したのも忘れ、土俗村へ足を運びサムゲタンを食べる。いつ食べてもおいしい。午後、地下鉄で移動し、民族伝統音楽の正月特別公演を見に行く。一部寝かけた場面もあったが、後半、威勢の良い太鼓を中心としたパフォ-マンスになって、やんややんやと堪能した、明日はお別れということで、夜は家で焼肉をした。

よく考えれば、あきらかにオ-バ-ペ-ス、食べすぎである。4日目の朝、妻の調子がおかしい。何も要らないという。さすがの息子も、少ししんどそうである。元気なのは私だけだった。昼、息子を近くの韓定食屋に連れて行く(妻はパス)。息子の箸はあまり進まない。往復の寒い道も辛そうだった。家に戻ってバス停に行くまでの時間、息子はソファ-で寝てしまった。3時過ぎ、息子を空港バスの乗り場に見送る。家に戻って、私もようやく異変(私の体内の)に気がついた。急にトイレと親友になり、頻繁に行ったり来たりを繰り返した。息子が去り、残った老夫婦は、夕食も食べず寝込む。

翌朝、妻はかなり回復したようだが、私の方はピ-クを迎えたようで、まったく力が出なかった。仕方が無いので、会社に電話して欠勤する。何も食べない状態が30時間ほど経過して、ようやく起きられるようになった。

息子と飲んで食べての正月は楽しかったが、きちんと自己管理をしなかった分、辛い目にあった。今回の原因を分析したところ、家で食べた焼肉がいけなかったようだ。まず、単に食べ過ぎたこと。そして、普段食べつけないサシのいっぱい入った高級牛肉を食べたこと。豚三枚肉も食べたことなどが、原因として挙げられる。前に、この同じメンバ-で、神戸牛のステ-キハウスにいったことがある。見たことも無いような見事なサシの入った肉を食べた。値段も恐ろしく高かった。しかし、食感は、肉というより油に近かった。そして、妻と息子の消化器官はその肉の受付を拒否したのだ(一旦受け付けたが、数時間後返品となった)。どうもうちの家族は動物系脂肪に弱いらしい。今回、改めてそれが確認できたのは、今後の食生活安定化に向けてよい教訓となった。

「気をつけよう 動物油と 食べ過ぎに」、我が家の家訓とすべきだろう。

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ももんが

大変でしたね。もうすっかり復活されたのでしょうか。
動物性油脂、私も苦手です。(特に近年)
高いはずなのに、どうしてあんなに胃にもたれるのか!といつも食べてから思います。
でも、息子さんとのひと時、楽しそうでよかったですね。
次回はご家族がそろわれることを祈っております(^o^)
by ももんが (2012-02-04 12:29) 

collet

雀翁さんちの家訓に、
わたしの場合、ニンニクも入るようです。
というのも、昨年のソウル滞在中3日目にして、
トイレと親しくなりそうでしたから・・・
まあ、その心配があったもので、予め薬は持参し、
大事にはなりませんでしたが~(^^ゞ

ところで、食べ過ぎばかりが強調されてますが、
本当は飲み過ぎも関係あるんじゃないですか?(~o~)
by collet (2012-02-04 14:20) 

mint_tea

Lunar New Yearと見て「月のお正月」と読んでしまいました^^;
よく食べるのね~と思いながら読ませていただいていたら、そういうオチだったのですね。
私も脂肪分はダメ……すきやき食べておトイレとお友達になったことも1度ではなく(-_-)
あと私の胃は辛いモノも拒否するので困ったもんだ、です。。
韓国寒そうですね~。よく行く友人も、韓国の寒さは種類が違う、と言ってます。
お気をつけて!
by mint_tea (2012-02-05 21:21) 

雀翁

ももんがさん、

ありがとうございます。もうすっかり元気になりました。昨夜もお好み焼きに乗せる豚肉は、脂肪部分を切り取って使いました。
どうもうちの息子と娘は周波数がかみ合わないようです。小さいころあんなに仲良しでいつもじゃれていたのに...私に残された仕事の一つは、また兄妹が忌憚無く話ができるようにすることです。

by 雀翁 (2012-02-06 08:35) 

雀翁

colletさん、

ニンニクが苦手ですか?そりゃあ、もったいない。韓国のス-パ-などでは、ニンニクの販売単位が半端ではありません。1つ(一株?)では売ってなく、こんなに買ったら一家で半年分?と思うほどの量です。うちでも、大量に消費するようになりました。

ハハハ、さすがするどいですね。飲みすぎ、大いにあったと思います。うちではめったに出ないマッコリがちょうど頂き物であったので、あっという間にあけてしまいました。

by 雀翁 (2012-02-06 08:55) 

雀翁

mint_teaさん、

落ちをつける意図はまったく無かったのですが、結果としてそういうことになってしまいました。韓国人に言わせると三枚肉など、あの脂肪のところに値打ちがあるそうです。どうも、同意できませんが。

先週いっぱい2桁のマイナスの日が続き、私も3日間は歩くのを断念し地下鉄通勤をしました。また今週の後半から冷えそうです。日本も寒波がきつそうですね。インフルエンザも流行っているようですし、お気をつけ下さい。

by 雀翁 (2012-02-06 08:59) 

krause

そういえば、日本以外のアジアは、LUNA NEW YEARですね。その間、アジアからの問い合わせがストップするので、私も少しゆっくりできました。

私も、楽しかったり、美味しかったりすると、食べて飲み過ぎてしまい、頻繁に後悔しています^^。
by krause (2012-02-07 11:00) 

雀翁

krauseさん、

正月が複数回あるというのは、とてもうれしいことです。ただLunar New Yearは太陽暦上の日付が毎年変わるので、いつなのかよくわかりません。

息子と飲食すると、もうかなうわけはないのに、張り合ってしまいます。

by 雀翁 (2012-02-07 18:55) 

Michikusa

私の脳内は 旧正月=爆竹 です。^^;
二桁の氷点下って・・・
川が凍るっていうのは本当なのですね?
霜降りの高級牛肉は、最近は歳のせいか胃が受け付けません・・・。マグロもトロはどうも・・・
まっ、コメントするほど食べたことはないですけどね。^^ゞ
by Michikusa (2012-02-10 10:03) 

雀翁

Michikusaさん、

ソウルを横切る漢江は、流れの緩やかな所は凍っています。今年の最低気温はマイナス17度で、寒いと言うより痛いという感じです。

高級霜降り肉も毎日食べれば慣れるのかも知れませんが、そんな財力も興味もありません。私は野菜とともに静かに暮らしていきます。

by 雀翁 (2012-02-10 12:47) 

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