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騙された自分がアホやった [ソウルでのこと]

NHK World Premiumを見ていると、時間調整のためか、「海外危険情報」が度々流される。

1. 日本語で親しそうに声をかけられる
2. その人の家に着いて行くとご馳走される
3. しばらくすると友人たちが来る
4. 絶対勝つという賭けトランプに誘われる
5. 最初は小額の賭け金で勝つ
6. 後でレ-トが上がり、ものすごい負けになる
7. みなさんも注意しましょう...

というような「危険情報」があったりする。「見ず知らずの人に着いて行く(何をされるかわからない)」、「食事を饗応される(何が入っているかわからない)」、「絶対勝つ(わけがない)」、「賭けトランプをする(自ら棺桶に足を突っ込む行為)」、「レ-トを上げる(自らの棺桶に火をつける行為)」、「ものすごい負け(誰もが考える筋書き通り)」...騙された人には申し訳ないが、「アホちゃうか?」としか思えない騙され方である。

Mちゃんの結婚式の次の日(これに関しては別記事予定)、関空からの最終便(関空発20:20)で、キンポ空港に着く。バス乗り場に行くと、折り悪く、バスが出たところで25分ほどの待ち時間があった。するとタクシ-の運ちゃんが近寄ってきて、「どこへ行きますか? チャムシル? 40,000ウォンでどう?」という。キンポにはめったに来ない(いつもはインチョン)ので相場はわからないが、40,000ウォンは多少(10~15%ほど)高めのような気がした。でも雨が降っていたし、時間も遅かったので条件を飲んだ。車中、流暢な日本語で、これからずっと雨が続くことや、阪神の低迷の話しなどをした。30分ほどでチャムシルのアパ-トに着いた。40,000ウォン払って、荷物をトランクから出し、「ありがとう」とアパ-ト内に入ろうとしたとき、「お客さん」と運ちゃんが声をかけてきた。何か忘れ物でもしたのかなと思ったら、「これ、困ります」と、先ほど私が払った40,000ウォンを差し出す。驚いたことに4枚広げたお札は一番上と一番下が一万マウォン札で真ん中の二枚は千ウォン札だった。合計22,000ウォンしかない。「え、オレ、そんなケチな詐欺まがいのことなんかしてへんで」と思ったが、映画などで見た、誘拐の身代金の一番上だけ本物(残りは新聞紙)の100万円の札束が頭に浮かび、何だか笑えた(笑ってる場合か?)。 「実際にそんなことがあるんやな」、まるで人事のように思って、「暗い車内でサイフから出したから、間違ったみたい。ごめんなさい」と、新たに一万ウォン札を2枚渡し、2,000ウォンを返してもらった。

タクシ-が去った後、アパ-トのエレベ-タ-の中で、ふと我に返った。「どうして自分はそんな不自然なお札の渡し方をしたんだろう」。私は通常お札は小さいほうから順に整理している。千、千、一万、一万ならわかるが、一万、千、千、一万となるのはおかしい。千ウォン札と一万ウォン札は大きさが違う。そして運ちゃんが言った一言、「ほんとだよ、僕、これだけしかお札持ってないよ」、聞きもしないのに、あの22,000ウォンが私の払ったものに間違いないと変に主張した。さらに思い返せば、わずかな時間ではあるけれど、私が車内でお金を渡した後、運転席からなかなか出てこなかった...私は、「自分はケチな誤魔化しはしない。わざとじゃない。間違って22,000ウォンを渡してしまったのだ」ということを主張し弁解することで頭がいっぱいになり、実際はちゃんと40,000ウォン払っていたのに、運ちゃんが22,000ウォンしか払っていないと騙しているのだという可能性に全く気が行かなかった。

証拠はない。実際、私は22,000ウォンしか払わなかったのかも知れない。でも私は今になって確信している。「騙されたのだ」と。
• 暗い車内でお札の確認が容易ではなかった。
• 疑問を投げたとしてもそれを証明するのは困難だ。
• 疑問は逆に自分の方にも向いてくる。
という状況と心理効果を巧妙に織り交ぜた詐欺である(感心してる場合か?)。「海外危険情報」を見て、「アホちゃうか?」などと思っていた自分が「アホ」だった。「メータ-を倒さないタクシ-に乗った」、「高めの運賃を受け入れた」、「支払いを確認しなかった」...海外にいる緊張感もない。ただ、悔しい気持ちはそんなに湧いてこなかった。騙された(であろう)金額が、18,000ウォン(1,400円)と小額だったからだ。そして、そのような詐欺をはたらいた運ちゃんには、きっとよくないことが起こるだろう、可哀想にと思う。騙すことにたいした罪悪感を感じていないにしても、「ひょっとして嘘が看破されたら」と心配して寿命も2週間ほど縮まったかもしれない。1,400円では到底合わないように思える。気の毒なことだ。この3日後、タクシ-に乗ることがあったが、支払うお札を3回確認した。


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さて暑い日が続いています。皆様、猛暑の中、いかがお過ごしでしょうか。暑いときは、「冷えたビ-ル」、「揖保の糸」、「ミルク金時(カキ氷)」、「皿屋敷」、「すべったギャグ」などもいいのですが、やはり「夏休み」を取って涼しいところ行くというのが、根本的な解決になる...  海外勤務者の特権として、日本のしがらみとは離れた所で、休みが取りやすい環境にある私です(フランス人にはかないませんが)。ということで、2週間ほどこのブログもお休みさせていただきます。皆様のところにも伺うことができません。
節電の要請等ありますが(ソウルはありません)、どうか、無理をされないよう、お身体を大切にお過ごしください。

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所変われば...結婚式の後 [ソウルでのこと]

先日、1年ほど前に会社を辞めたJDさんから、彼女の近況報告と共に、結婚式の招待状が送られてきた。韓国の結婚式は日本のそれと大きく違い、招待状を何百枚と出し、出欠の確認はない。ほとんど自由参加である。結婚式場には通常、大きなブッフェ式のレストラン(食堂?)が併設されていて、参列者は「式の後」で、各々そこで食事を取る。主催者は参列者の数を「予想」し、適当な数のテ-ブルを確保する。キャンドルサ-ビスやケ-キカット、主賓挨拶、友人の歌、母への手紙朗読などはない。通常、参列者はお祝いを包んでくるが、日本のような引き出物、内祝いといった習慣はない。それはそれで、大変結構なことだと思う。逆に、せっかくお祝いをしても、そのほとんどが、披露宴の費用や引き出物に使われてしまう日本のシステムには疑問を感じる。残念ながらJDさんの結婚式の日には別の約束があったので、「おめでとう、参加できなくて申し訳ない」といった簡単なメッセ-ジをお祝いといっしょに包んで、結婚式に出る会社の人に届けてもらった。

3週間ほどして、結婚式に出た人が、「これ、JDさんから送られてきましたよ」と小さな箱をくれた。見るとその箱には、「じゃんじいさん」と私の名の書かれたシ-ルが張られていた(包装紙はなし)。たぶんJDさんの直筆だ。それが丸いひらかなで書いてあったので、気分的にとても暖かく感じた。会社を辞めた後、小さな子供に英語を教えているというJDさん。それは、韓国の教育熱の高さを反映しているのだろうが、正直、JDさんの英語力では少し心もとない。小さな子供相手だから、正確さや流暢さは必要ないのだろうか。その箱を開けてみると、どこかのブランド物の小さなタオルが1枚。広げてみると、「祝結婚 新郎XXXX,新婦 JDYYY」と印刷してある。日本で言えば、町内の祭りで配られた手ぬぐいに、近所の酒屋の名前と電話番号が印刷されているといった風情である。あっけに取られて、しばらく声がでなかった。これをたくさん作ったんだろうな。名前さえ印刷されていなければ使えるのに。親以外にこれをもらって喜ぶ人がいるんだろうか? 「JDさん、こんなタオル、いったい、どうせえっちゅうねん、ほんまに...」と、私は心からうれしくなった。

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冬の生活 ある寒い週末の出来事 [ソウルでのこと]

今年の韓国は「記録的」に寒いようだ。気象に関しては、ここ数年、世界的に「記録的」な現象が続いている。乾燥、水害、寒波、大雪...これはやはり、地球が風邪をひきかけていることの一端なのだろうか。風邪は万病の元、放っておくと大変なことになりかねない、いや、すでにあちらこちらから病の芽が吹き出している。

正月(太陽暦)明けから、二桁のマイナスの日が続いている。30年近く前、北海道(太平洋側)で3回の冬を越した。工場のゲ-トにかけられた寒暖計が、マイナス10度を指す日がたまにあり、さすが北海道、本場の寒さは違うと感心したものだが、ここ数週間、それに勝る寒気がこの辺りから動かない。それが理由かどうか、久しぶりに風邪をひいたようで、2~3日寝込んでしまった。毎日続けていた徒歩通勤も、さすがに継続しがたくなり、気温がマイナス5度を上回るまで控えようと思っている。運動量が減り、体重の増加が危惧されるが、上手くしたもので、風邪のために体重が1.5kgほど落ちた。その貯金?を春まで大事に使おうと思っている(今朝、体重計に乗ると、その貯金はもうなくなっていた...)。

しかし、週末、ずっと部屋にこもっているのもつまらない。昼間にはマイナス5度くらいまで上がる。サッカ-のアジア大会最終日、厳重に防寒対策を施して、思い切ってオリンピック公園に出かけた。

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青い空、白い雪にオリンピックゲ-トが映える。公園の散歩道はなんとか除雪してあり歩くことができる。カササギが元気に飛び回っている。人の数は圧倒的に少ない。やはりこんな日は、オンドルの床に寝そべってダラダラ過ごすのが正解なのだろう。風が止まり日が当たると、多少気温が低くとも快適だ。ただ、時折吹きつける風の冷たさは堪らない。「天はわれらを見捨てたか?」と八甲田山を歩いているような気になる(あきらかに誇張している)。それでも、散歩の楽しみ、恒例のNカフェにチョコレ-トクッキ-は外せない。日の当たるベンチにすわり、コ-ヒ-を入れる。入れた瞬間からコ-ヒ-の温度は下がり出し、2分ほどで生ぬるくなる。チョコレ-トは、コチンコチンだ。長くそこに居ると身体に悪そうなので、そそくさとコ-ヒ-を飲みまた歩き出す。

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アジア大会決勝を見る気合を入れるため、夕方、海の幸を食べに行く(これに関し論理的な説明を求めてはならない)。近くの屋外ロッテワ-ルドも大変寒そうだ。


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前から目をつけていた、パダコンウォン(海の公園)という名のレストランに行く。オンドルのテ-ブルに座ると、注文をする前からワサビと薬味、そしてサラダが並ぶ。ワサビは韓国では一般的なとんでもないミドリ色をしていて、日本人的感覚ではこれが人口着色料なしに出来ているとは思えない。
メニュ-を見ると各種刺身の盛り合わせしかない。2人前90,000ウォン。微妙な値段だ。そして、次から次へと途切れることなく皿が運ばれてきた。サンマ焼き、タラの辛味ソ-スがけ、カボチャの煮つけ、イカと野菜の辛味ソ-ス炒め、天ぷら、とうもろこし炒め、うどんのス-プのようなもの、手巻き寿司、.お稲荷さんにエビを乗せた押し寿司、よく覚えていないが、これでもかと皿が並ぶ。皿が並ぶのはいいが、肝心の刺身がなかなか出ていない。「百歳酒」をやりながらあれこれ食べていると、お腹がいっぱいになってきた。そしてようやく真打登場。9種の白身魚の刺身が乗ったお皿と、貝やエビ・イカの乗ったお皿が運ばれてくる。私の最も苦手とするホヤまで乗っている。しかし、時すでに遅し。正常に味を判断する味覚は、大量の前菜?によってその機能を失いつつあった。そしてトドメは、魚のアラを使ったメウンタン。正直、もう何も要らなかったが、韓国料理で最もおいしいのは、ちょっと辛い系のス-プにご飯を混ぜて食べることだということを発見していた私は、無理にでも一口食べてみた。何もないときにこれを食べたらどんなにおいしいだろうかと想像し悔し涙が出た(超誇張)が、二口目は無理だった。そして、この店は何を考えているのか、さらに大盛りのカキ氷をデザ-トとして出した。頭が、お腹がどうにかなりそうだ。

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深夜12時、対オ-ストラリア戦が始まってもまだ、私の胃はパンパンだった。そして決勝点が入ったころ、漸く、私は普通に動くことが出来るようになった。韓国の刺身定食恐るべし。日本代表、よくやった。

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韓国人間ドック事情 [ソウルでのこと]

35歳になると会社から補助が出るようになり、人間ドックを受け始めた。1回目は、まだ神戸にいるころで、初回という高揚もあり、何故かN社の別の部署のO君と同室で1泊の検診を受けた。その時、O君がいっしょに受診することを強くせまってきたので、「ひょっとしてO君はその手の人? 夜は気をつけなければ」と思ったものである。結局、期待した(?)ようなことは何もなかった。その後は日帰り検診専門だ。3~4回はパスしてしまったけれど、基本的に年中行事になっている。タイにいるときは、現地の5スタ-ホテル並みと言れるB病院で検査を受けた。東京女子医科大出身の日本語のできる美人の女医さんがいた。それ以外はすべて、日本に帰国したときに受診している。韓国に来てもうすぐ3年、この国に対する信頼感もできてきたので、今回はソウルで受けてみることにした。会社でも手配をしてくれるということだったが、検診には専門用語が伴うなので、言語的な心配があり(変な検査薬を注射されたら困る)、日本語の通じる検査機関を探した。口コミで、日本語通訳をつけてくれる所が見つかり、早速予約する。韓国は、国策として、医療による外貨獲得を促進しているのだ(その意味では、日本の10年、いやもっと先を行っている)。

11月の終わり、雨の降る、人間ドック日和の土曜早朝6時半、地下鉄で4駅の検診センタ-に向かう。「7時にスタ-トすればスム-ズに受診できる」と聞いていたが、午前7時検診センタ-には、すでに行列ができていた。私たちより5分遅く来た通訳の人のガイドに沿って、受診表・問診表に記入する。前もって検便用の容器が送られてきていたので、前日、指定のブツを用意した。指定容器はプラスチックの試験管のようなもので、それに付随するプラスチックの細い棒をはずし、その棒でブツを2~3回突き刺す。そして、それを液体の入った管に戻し、シャバシャジャ振って、ブツを液体に溶かし込んだのを持参するという、現代的?な方法だ。もし、それを街で落としても、拾った人にはそれがブツだとわからないという、洗練され巧妙な手法である。子供のころ、マッチ箱に現物を入れて学校に持っていって、毎年みんなで大騒ぎをした時代を考えると夢のようである。いくらマッチ箱に入れて新聞で包んでも、現物は臭うのだ。ただ、その現代的回収方法が正確な検査に適しているかどうかは不明である。

身長・体重・血圧・聴力・視力・眼底・眼圧・尿採集・血液採集・肺活量・体内脂肪・骨密度・心電図...検査は流れるように進む。たくさんの人がいるのに、待ち時間が少なく、検査もテキパキ早い。肺のX線、腹部エコ-の辺りは少し待つ。そして人間ドックのハイライト、胃の検査。内視鏡とバリウムによる造影撮影のチョイスがあった。ここ数年、日本では鼻から入れる内視鏡検査を受けていたが、決して楽しいものではない。今回は、外国ということもあり、信頼感があるといっても少し不安(検査技師の祖父が日本軍にひどい目に合わされ、恨みを抱いていて、復讐の機会を狙っているなど)なので、苦しくないバリウムの造影を選んだ。記憶では、筋肉注射をされ、胃を膨らませる顆粒薬飲み、そして「勘弁してください」というほどバリウムを飲まされるという筋書きだったはずだ。今回は、注射はなく、バリウムもわずか150cc程度だった。思わず「バリウムお代わり」と言いそうになった。問題は、撮影台でのポ-ズのとり方である。いろんな角度から撮らないといけないので、右方向へ回転しろとか、左の方を向けとか、豹のように背中を反らせろとか、手を使わず左足の小指をなめろ、などの指示が検査技師から飛ぶ。でも、その指示は韓国語で、それを通訳の人が訳してくれるのだが、微妙な点がよくわからない。左を向くにもどれくらい向いたらいいのかわからない。こちらで適当に加減をしていると「いいです」というOKが出る。検査が終わった後で、「うつ伏せ」と「仰向け」という単語を通訳の人に伝授し感謝された。

人間ドックでは、検査用の服に着替える。日本では、どこでも地味な自己主張のほとんどない服だった。しかし、所変われば品も変わってしまうのである。男性は濃い藤色、女性はピンクに近い紫のコスチュ-ムである。これらの服を着た人がそこら辺にうようよしているのは、なかなかショッキングな光景である。特に女性のピンクに近い服は、「ひょっとしてここは何やら怪しげな、人には言えないような場所」なのではないかとさえ思わせる。「今、ピンクの人が入っていった部屋の奥で、何か神の教えに背くようなことが行われているのではないか」と想像してしまう。今までの観察によると、韓国人の好む色は、派手目の黄緑、ちょっときついピンク系紫などがある。よって検査用の服もその好みを反映しているのだと推定される。

検査はすべて終わった。「結果は、私が翻訳して送ってあげます」と通訳の人は言う。「この人で大丈夫か」という若干の危惧は感じたが、まさかそれは言えない。検診センタ-を出たのは、到着からちょううど2時間後だった。とても手際のよい効率的な検診だったと思う。検査だけで医者にようる問診がないのはちょっと「???」だが、それがここでは普通なのだろう。外に出ると、みぞれが降っていた。傘を持ってなかったので地下鉄の駅まで150mほど走った。検診に来て、転倒による骨折、または、みぞれによる風邪などになっては目も当てられない。

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一歳の誕生日 再び [ソウルでのこと]

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Jさんの息子さんの一歳の誕生日「ドル」に出た翌週、今度はWさんの息子の「ドル」が開かれた。JさんもWさんも同じ部署の人だから、片方だけ行くというわけにはい行かない。再び、筆ペンで封筒に「御祝」と書いた。ちょっとうまくなったような気もしたが、明らかに気のせいである。いずれにせよ、「ドル」は物入りだ。会場は、地下鉄2号線で、うちの最寄のチャムシルから16駅ほど行った所、ちょっと遠い。時間は午後6時始まりの案内だ。前もって、Googleの地図で調べておいたので、道に迷うことなく到着した。着いて気がついた、えっ? 会場が「Sea Food Family Restaurant」の看板を上げていた。「ファミレスでドル?」と首を傾げたが、よく考えると、韓国のファミレス(?)は日本のそれとは大きく異なる。また、各種祝い事をレストランの一部を借りて行うことは、日本でもめずらしいことではない(かな?)。このSea Food Family Restaurantは、鮨、刺身、エビや蟹を前面に出したいわゆるブッフェ形式のレストランだ。会社の例会でも同じような所に行ったことがあるが、大変な人気で、予約しないと入れないし、蟹コ-ナ-などはいつも行列が出来ている。

レストランの受付でWさんの「ドル」に来たことを告げると、手首にシールを張ってくれて(料金徴収済印)、「入って左へ行った所です」と説明してくれた(ような気がした)。指示通り、入って左へ行くと、そこに髪をアップにしたWさんが立っていた。女性は髪をアップにすると、3~5歳、人によっては15歳ほどふけて見える(ことがある)。すっかり貫禄のついたWさんにちょっと腰が引けたが、「おめでとう」を言うと、ご主人と、親戚におもちゃにされていたこの日の主役の息子さんを紹介してくれた。残念ながら、Wさんは、私の韓国語より少しましなくらいの英語しか話さないので、「おめでとう」を何回も言うしかない私自身が情けなかったが、気持ちは伝わったと思う。「式が始まるまで、ご自由にお食事をしてください」という趣旨の案内があったので(たぶん)、さっそく本日のメニューを見て歩く。天ぷら、鮨、刺身、そば...定番の日式料理(韓国では和食のことを日式と称する)が並ぶ。フル-ツにケ-キ、そして、ソフトクリ-ムまである。ワカメス-プに各種キムチ、なぜか各種パスタ(このあたりはファミレスっぽい)、結構多彩である。そして、予想通り、蟹ののコ-ナ-には長い列ができていた。

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何人か、知ってる人に挨拶しながら、お鮨を中心にお皿に乗せていく。残念ながら、こちらでは、めったにおいしいお鮨に出会うことはない。

7時ごろ式が始まった。パパとママへのインタビュ-、アイテム選びによる将来の占い...両親は「お金」を選んで欲しかったようだが、子供は「筆」を選んだ。芸術家肌のようである。そしてそんなイベントも素早く終わった頃、ぞろぞろ会社の人たちが集まり出した。「いやあ、ひどい目に会いました。家から2時間半かかったんです、渋滞がひどくて」。そんなことは端からわかっていることだ。うちでは、「休日の市内の移動は地下鉄で」をモット-にしている。先週、我が子のドルを祝ったJさんは、この日、2つのドルに出席しているという。秋は、結婚シ-ズンであると同時に、出産シ-ズンなのだろうか。

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あと、半年以内に少なくとも2つのドルが、うちの部署関連である。「たまにはちょっと変わったドル出たいな」などと不届きなことを考えてしまう。どの「ドル」もその家族にとってはとても大切な節目のお祝いなのに...

ちなみに、ドルは誕生日の少し前に行われ、誕生日には別途、御餅などを配る習慣がある。Jさんに御餅をもらい、私は出席しなかった営業の人のドルの御餅をもらい、そして後日、Wさんからお菓子をいただいた。

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