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友遠方より 来る 2011 秋 (2) [友だち]

Fさん夫妻は、去年の春以来、2度目の来韓である。私のもと上司で、人生の師匠でもあるFさん、引退して悠々自適の暮らしをしている。今年の春からピアノを習い出したと聞いていたので、早速、その腕前をご披露願った。「いやあ、だめだよ」などと言いながら、楽譜持参で来られた(F夫人が無理やり持ってきたそうだ)。「ほら、こうやって」と鍵盤の上で左右の手をクロスさせやり、足でペダルを操作したり...カラオケに行けば、「ダイアナ」などを完璧な発音で歌うFさん、きっと音楽センスもいいのだろう。でも、人間、数が月でこれほど上達するのかと驚いた。さすが、「人生をいかに楽しむか」を追究するFさんである。

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F夫人の買い物リストに従って、市場めぐりをする。栗の渋皮の粉で作ったパック(お肌のケア-?)、柿の葉のお茶など、普通でない買い物である。珍しいものがいっぱいある食べ物系の市場巡りは楽しい。道を歩いていたら、魚の干物や、明太子などを食べさせてくれる。F夫人はさっそくタラの干物などを買っていた。それに対し、(貴人的に)あまり楽しくないのは服飾系の市場巡りである。私は、人の服の買い物に同行するのを極端に苦手としている。セロリを生で食べるのと同じくらい苦手だ。自分の服を買う時だって、1分でも早くを済ませたいと思っている。ましてや、人の服の買い物には120%興味がない。東大門というのはとんでもない所である。大量の衣料品が道を埋めるように店からあふれ出している、それが何百メ-トルと続くのだ。地獄である。またその店の一つ一つに興味を示すF夫人とわが妻。私はFさんといっしょに大きなため息をつく。いかな人生の達人のFさんと言えども、奥さんは御しきれないようだ。F夫人は、「ごめんなさいね。雀翁さん、こういうのつまんないでしょ」と気遣って下さるが、「ええ、とても苦手です」と正直に答えてしまう私である。

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雨が降っていたが、いつもよく行く南漢山城へ案内した。1時間あまりの散歩道を歩く。Fさんはスイスにいるころ、私たちに山の面白さを教えてくれた。いわば恩返しである。恩返しにしては、雨の道を連れまわされ、Fさん夫妻には迷惑な話だろう。でも今回の目的は、山を歩くことではなく、山菜韓定食を食べることだった。1時間ほどの山散歩をした後、山菜韓定食の看板を出している古そうな店に入った。最近韓国の店では、TVに出たとか新聞に出たということを宣伝している。その韓定食屋は日本のTVが来たという看板(但し10年以上前)を出していた。店に入ると韓国古民家と入ったたたずまいで、三畳一間ほどの部屋に通された。神田川の歌が聞こえてきそうな部屋だ。韓国の家は基本的に冬に対応するように作られている。暖房効率を上げるために、部屋は狭く、天井も低く、入り口もちいさい。床はもちろんオンドルである。通された部屋には、座布団がおいてあったがテ-ブルがない。まさか床に並べて食べるのだろうか?それは杞憂に終わり、しばらくして、4人分の山菜韓定食が所狭しと並べられた座卓のようなテーブルがど~んと運び込まれた。20近くある副菜を一つ一つ運ぶより、ずっと効率的である。そのあと、ご飯とテンジャン(味噌汁)が運ばれてきて、ほんとうにテ-ブルの上に置けなくなってしまった。右往左往していると、その店の主人だというかなり年配のご老人が挨拶に来られた。流暢な日本語で、聞けば、かつて(戦前)、中央大学に留学していたそうである。日本語の上手な年配者に会うと緊張する。どのような気持ちで日本語をしゃべっているかわからないからだ。このご老人は、日本びいきのようで、思い出話などをして下さった。

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Fさんがおられた間、かなりのお酒を飲んだ。Fさんがお土産で下さった京和菓子は、とてもおいしかった。かつて、娘が住んでいたアパ-トのすぐ近くの店で、何回もその前を通ったのを思い出す。

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コメント 10

collet

うぅ~ん、市場巡り、楽しそう~~♪
ただ、セロリを生で食べるのは大好きだけど、
わたしも衣料品を見て回るのはご免です。
何てったって~もう、見飽きるほど見てますので・・・(;一_一)

ところで、この山菜韓定食屋さん、山の中にあるトコですか?
確か、登山道の途中あたりだったと思うけど・・・
わたしもこんな所に!と、驚きつつ興味があったんです。
ちなみに、お味はいかがなもので?
山菜だと大体は察せますが~~(~o~)
by collet (2011-11-30 13:54) 

雀翁

colletさん、

やっぱり、商売と趣味は違うんですね。
きっと八百屋をやっていたら、セロリが苦手だったかも知れません(うちが八百屋をやっているわけではありませんが)。

南漢山城の中心に駐車場がありそのあたりにかなりの食堂があります。行った定食屋さんもその一軒です。山から駐車場への途中にあります。味に、特筆すべきものはありません。山菜の種類はたくさんありましたが、基本的に味付けは同じようなものでしたから。Fさん夫妻をお連れしたのは、その雰囲気を楽しんでいただきたかったからです。

by 雀翁 (2011-11-30 19:03) 

ももんが

何を見て回るにしても、市場は楽しそうですね。行ってみたくなりました。
雀翁さんのお友達は、素敵な方ばかりですね。私も友人たちを大切にしたいなあとしみじみ思いました。
山菜もとてもおいしそう(^o^)
by ももんが (2011-11-30 23:46) 

雀翁

ももんがさん、

確かに市場は楽しいのですが、韓国のお店の特におば様方はかなり積極的なので、ゆっくり見て回るということができません。店の前に立ち止ろうものなら、早速寄って来て、あれがいい、これがいいと、品物を勧めてきます。韓国人にとっては、それくらいでないとサ-ビスが悪いと言うことになるのでしょうが、日本人にとっては、ちょっと黙って見させて欲しいと思います。
私は友人は少ない方だと思いますが、それでも恵まれていると思います。このFさん夫妻にも、スイス時代、大変お世話になりました。

by 雀翁 (2011-12-01 08:31) 

drumusuko

韓国の市場は、活気があるようですね~。たしかに人の買い物のお供は、できれば避けたいですね(笑)。
山菜は、韓国ではどのようにして食べるのでしょうか?
by drumusuko (2011-12-01 17:11) 

雀翁

drumusukoさん、

この店では、ほとんどの山菜を韓国風ナムル味で出していました(アメリカ風だったらおかしいですね)。山菜はいろんな種類があったんですが、味的に大きな違いはなかったような...

by 雀翁 (2011-12-01 18:13) 

krause

なぜかメッセージを入れているのに、時々反映されていないことがあるようです。

山菜韓定食は、最後の写真でしょうか。韓国から帰ったばかりの身でも、これはおいしそうです!最近の韓定食(宮廷料理?)では、フランス料理のように一皿づつ出す店がありますが、私は、やっぱり一つのテーブルでドンと出す方が好きです^^。
by krause (2011-12-05 18:19) 

雀翁

krauseさん、

そうです。
私の頭の中では、韓定食は、この山菜定食のように、どかっと全部出てくるタイプ、宮廷料理は、一品づつ出てくるタイプという設定になっています。また、値段も韓定食=10,000ウォン~15,000ウォン、宮廷料理=50,000ウォン以上と理解しています。
前回、F夫妻が来られたときは宮廷料理に行ったのですが、今回は、「庶民的な」というリクエストがあり、この山菜韓定食に行きました。私は、まったく違う料理として、どちらも好きです。

by 雀翁 (2011-12-06 08:58) 

Michikusa

栗の渋皮の粉で作ったパックはテレビで見て知り、実家から栗をもらって来たときに試しました。2回だけ・・ですが・・。
確かにスベスベにはなりましたが、渋皮を剥くのが面倒で・・・。日本でもこのパックは手に入るんでしょうかね?ネット通販で調べたらありそうだなぁ。^^ゞ
by Michikusa (2011-12-07 09:46) 

雀翁

Michikusaさん、

渋皮の粉末を買ったお店のおばさん(おばあさん?)は、自分でブレンドした栗渋皮パックを試用させてくれました(F夫人が試しました)。ポイントは、蜂蜜をたくさん混ぜることだそうです。そして、蜂蜜も売ろうとしました...
自分で渋皮を剥くのは面倒くさそうですね。韓国では、焼き栗その場で手で剥きながら路上で売っています(ただし、栗の実のみ。渋皮は売ってません)。

by 雀翁 (2011-12-07 17:58) 

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